成功する確率が一パーセントでも、チャレンジする男に女は惹かれる
《実例》やる前から「できっこない」と、簡単に放り投げてしまう男 どちらかというと、あきらめの思い部類に入る私から見ると、最近の若者はどうに もあきらめが早すぎるように思えてならない。
これは、私だけでなく、企業に勤める 私の友人たちも一様に感じているらしく、たまに飲みにいくと、若者のあきらめの早 さについて話題になることがしばしばある。 たとえば、これは友人の会社での話だが、彼は、新人が研修を終えて二カ月たつこ ろになると、とにかく一人で新規契約のための 飛び込みをやってこいといって外 に出すという。
飛び込みとは、ご存じのように、まったく行ったことのない会社に、いきなり飛び込んで商品の売り込みをすることで、新しい顧客をつかむために欠かせない営業活動である。 ところが、いわれたほうの新人たちはたいてい尻ごみをする。「まだ営業のイロハもわからないのに」とか、「いきなりいわれでも、そんな研修はなかったから、自 信がなくて」などといって困っている。
それでも、しぶしぶ飛び込みに出かけるのだ が、なかに三十分もしないうちに帰ってくる者がいた。 どうしたのかと聞くと、「ダメでした」という。しかし、よくよく聞いてみると、 この「ダメでした」というのはウソで、じつは彼ははなからあきらめて、相手の会社 の前まで行って、そのまま帰つできたらしい。悪いことに、このときのやりとりをた またま聞いていた女性社員がいたようで、このウワサは女性社員たちの間でたちまち 広がってしまい、私の友人の目から見ても、それ以来、女性社員がその彼を見る視線 が冷たくなったのを感じるということだ。
《なぜモテないか》女性は、男のあきらめの早さをスマートとは感じない あきらめの早い人に共通しているのは、「もしやってみてダメだったらみっともな い」という感情が、「それならば、あきらめて何もしないほうがいい」というふうに 自分を納得させようとしていることだ。
さらにこれが進むと、「できっこないことを やるのはパカがすることだ」と思うまでになる。こうした思考回路ができあがると 自分で何かを一生懸命にやることが、みっともないこと、カツコ悪いことと映りはじめる。
あきらめの早いことが スマートなことだというひどい誤解を、誤解として 気づかなくなるのだ。 しかし、女性に限らずとも、人はこのあきらめの早さを決して スマート とは思わない。たんなる弱さ、行動力のなさとしか受け取らない。
もちろん、ときにはあきらめが必要なこともある。だが、それは、とにかく目的のために動き、最善を尽くし たあとにやってくるもので、何もしないであきらめることとはわけが違うのである。
好きな女性がいても、あの人は 高嶺の花 だからと、アタックする前からあきら めてしまうのも同じだ。あきらめるのは、アタックしたあとに出てくる結果で、その男性のことをほんとうはどう思っているのかは、心 理学者のはしくれの私でも、聞いてみなければわからない。
また、あきらめの早い人は、自分のことを自分で低く評価してしまう傾向がある。こうした自信のなさは、女性にとっては、まだるっこしく感じられる。もうすこし自 分に自信を持って大風呂敷を広げるくらいでちょうどいいのかもしれない。
《対策》ダメだと思っても、もうひと押しできないか考えてみる 手っ取り早くいえば、あきらめの早い男性に必要なのは、とにかく、どんな小さな ことでもいいから、自分で動いて結果を出し、それを自信に結びつけていくということだ。
いま現在置かれている現状を、「どうしたらすこしでも改善できるか」と考え、「そ のためには、まず、何を始めればいいか」と、とりあえずできそうなことからやって みるのだ。グチをこぼす人の多くは、この どうしたらという部分がスツポリと抜けている。「そんなのダメだ」と否定語で考え、否定諾を口に出していると、行動ま でも消極的になっていく。
そんな 逃げの姿勢には女性は敏感だ。簡単にあきらめ ず、もっともっと 悪あがきをしてもいいのだ。 たとえ高嶺の花の女性でも、はなからあきらめる必要はまったくない。成功す る舶率が一パーセントでも、たいせつなのは、あえてチャレンジする姿勢だ。この一 パーセントの望みにチャレンジする姿勢に、女性は 磨かれた男を見る。