相手が関心を持っていることに どれだけついていける?
相手が関心を持っていることに どれだけついていける?
《実例》話しかけたいのに、どうしても話題が見つからない男 私の知り合いに、女性が苦手という男性がいる。彼はまだ二十五歳と若く、容姿は まあまあ、性格も暗いということはないし、自分自身にコンプレックスを持っている わけではなかった。
女性にモテるということはないが、毛嫌いされるというタイプでもない。その彼が女性を苦手とする理由は、若い女性とはとにかく何を話していいか わからないというのである。中学、高校とエスカレーター式の私立男子校に通い、国 立大学の工学部に入学した彼は、女性と接する機会がほとんどなかった。
若い女性が どんなことに興味を持ち、どんなことを考えているのか、まったくわからない。わか らないから、いったい、どんなことを話題にしていいのかも見当がつかないらしい。 そんな彼が、気にしていた新入女性社員のT 子と二人だけで残業するという機会が あった。
T 子も先輩の男性社員に自分から話しかけるような活発さはなかった。あまり広くないオフィスは静かなままだ。彼は何か話さなければと思うが、話題が見つか らない。最近見た映画のことを思い出して、唐突に「あの映画、見た?」と聞くが、 「見てません」のひと言で終わり
。会話が続かないため、前よりかえって気まずくな ってしまった。そうこうするうちに、仕事を終えた彼女が「お先に失礼します」と帰 ってしまった。「オレはダメな男だなあ」と、彼はつくづく自分が情けなくなった
相手のことをよく知らなければ、楽しい会話は生まれてこない 某作家にインタビューに行って、その作家の小説を一つも読んでいないことがすぐ にばれて、「失礼な」と追い返された週刊誌の記者がいるそうだ。
逆に、長寿番組 「徹子の部屋」の司会者の黒柳徹子さんは、すこしでも番組をおもしろくしようと、 収録前にはかならずゲストのことをよく調べるという。 これらの例が一示すのは、会話を盛り上げようと思ったら、相手についての事前調査 を徹底的にするのがだいじであるということだ。商談でも、取引先に気に入ってもら おうと思ったら、趣味やお気に入りの庖など、相手についての情報を事前に必死でかき集めるだろう。
したがって、女性と上手に会話することができない、会話を盛り上げることができ ないとすれば、それは、女性一般や特定の女の子が、どんなことに興味を持ち、どんなことを考えているかについての事前調査が足りないからだといえる。
「敵を知り己 を知れば百戦危うからず」というが、好きな女性を勝ち取るにも、女性を知ることは たいせつなのだ。 《対策》「興味がない」などといわず、 女性のフィールドに足を踏み入れてみる 長野県知事として話題になった田中康夫氏は、学生時代は徹底的にモテなくて真剣 に悩んだそうだ。
悩みに悩んだ田中氏は、若者向け雑誌や女性誌を片っぱしから読み、 流行のファッションや応の研究をした。その知識をもとに書いた「なんとなくクリス タル』が大ベストセラーになり、一躍有名人になったことはどなたもご存じだろう。 最新のセンスを身につけて、プレイボーイ的なモテ男になろうというのはこの本の 趣旨ではないが、田中氏の方法は大いに参考になる。
女性とうまく会話できないとい うなら、女性に人気のある雑誌を読んだり、テレビドラマを見たりすればいい。女性誌を読むなんて、みっともない」「自分は興味ないから」といって毛嫌いする のではなく、女性に対するサービス精神のつもりで勉強 してみるといい。
生かじりの知識で十分だ。「今日の服は流行のなんとかというんじゃない?えーっとなんだっけ?」といった程度の質問でも、これをとっかかりにして女性に質問したり、 自分の考えをいったりと、会話ははずんでいくだろう。 また、女性が愛読する小説やエッセイストの本やマンガを読んだり、女性に人気の ある映画を見て、「このシiンで、ヒロインはこういう態度をとったんだけど、女性って、そういうもんなの?」と聞いてみるのもいいだろう。
女性一一般や彼女が何を考 えているのかを知る手がかりにもなる。 女性と話していると話題に困るという男ほど、女性に閲する研究が不足しているも のだ。そんな人は、女性が集まりそうな場所に出かけてみるのもいい。とにかく、相手のフィールドにこちらから踏み込んでみることだ。