他人のいい所をホメるようにすると、自分の周りの印象もよくなる
《実例》わが身を滅ぼすホラ話の逆効果 いわゆるホラ吹きにも二種類いる。
そのホラによって、まわりが笑い転げてし まうようなスケールの大きなホラをいう人と、いかに自分がすごい人聞かを見せるた めだけの、スケールの小さいホラしかいえない人だ。
だれがつくったのかは知らないが、有名なホラ話に、こんなものがある。北海道の とある村では、ちょっと変わったカモ猟 をしているというのだ。その村には、カモが何万羽と水面を泳ぎ回っている。秋も終わりになると、夜半に急に冷え込むため、 一夜にして水而に氷が張ってしまうことがあり、村の人たちはその日を待っている。 翌朝になると、足を水面下に入れたまま動けなくなったカモが何万羽も湖に張りつい ている。
そこを、村人たちはカマでもって、足のつけ根を稲刈りでもするように切って収穫するのだ。こんどは収穫後、春まで待つという。切り取られた何万本の足 109 110 の切り口から、いっせいに芽が生えてくる。 きるという、たわいもないハカ話だ。 こうしたスケールの大きなホラは、いかにも現実にありそうな話で始まり、そんな話、バカバカしくて、ありつこない というオチで終わる、
笑のバランスの うえに成り立っており、そこにおもしろさがある。しかし、スケールの小さなホラ話 になると、そうではない。附く人にとっては、ウソの自慢話でしかない。
たとえば、これは私のゼミの卒業生で、 ある商社に勤めている女性から聞いた話だ が、同じ諜で席が隣り合わせの三十一歳になるある男性は、仕事がヒマになると、彼女に「ねえ、知ってる」などと話しかけてくるそうだ。その内容は、OO 課にいるB 子は背、オレとちょっとつき合っていただの、大学生のころ同棲していた女性は、い まちょっと有名になっているファッションデザイナーのO O だ、などというものだから
はじめのうちは、彼女も興味を持って聞いていたが、その話を先輩の女性社員に話したところ、大笑いされた。「アイツは新人の女性にはかならず同じ話をするのよ」 ということで、彼女はひどくパカにされたような気になったという。それ以後疑いのまなざしで彼の話を聞いていると、どうも話のつじつまが合わなかったり、 前の話 が変わっていたりする。
しかし、そんな矛盾点を問いつめてやろうなどという気さえ、 いまはバカバカしくて起こらないという。 彼女のあなたを見る1:1が変わる[つき合い方」 《なぜモテないか》過去を 美化u する男性には、自信のなさが見え隠れする 自分の過去の自慢話をしゃべりたがる男がいる。こうした男の話は、だれにもわか らないだろうと思って、ありもしないことを、さもあったようにいったり、たとえば 一度、喫茶庖に行ったことがあるだけの女性を、「つき合ったオンナ」のようにいう ホラ まがいの話が多い。
こうした ホラ話μばかりしゃべりたがる男について考 えてみると、その原因は自分に自信がないから、ということに行きつく。これは、過 去にほんとうにモテたかどうかとはあまり関係がない。昔モテたことがあっても、そ れを現在の自分の向信のなきゃ劣等感をカバーするために持ち出しているわけで、ウ ソをついてモテたというのと、心情的には変わらない。 女性に限らず、人はこの手の 吹聴癖 のある人間を、虚勢を張っただけの自信のなさとして見てしまう。
さらに、過去の女の話を持ち山してくる男性に対しては女性はまず心を聞かない。こうした話を聞かされることで、もし彼とつき合ったら、きっと私のことを、あることないこと、ほかの人たちにいいふらすのではないか、とい う強い不安が生じるからだ。
《対策》人のいい所をホメると、自分もどこかでホメられる
およそ自慢話というのは、本人の口から語られると、マイナス効果しか生まれない ことが少なくない。 それでもなんとか他人に自分のよさをわかってもらいたいのなら、そうした自慢話 を、ほかの人の口からいってもらうことだ。第三者の口からいわれた話なら、同じ内 容でも、がぜん説得力と客観性が増す。
そのためには、友人に、気のある女性に対してそれとなく自分をホメてくれるよ うに頼むのも一法だが、そんなことをわざわざしなくても、ふだん、人のいい所を自分がホメるようにしていると、自然に自分もどこかでホメられるものだ。ホメられて 悪い気がする人はいない。
人からホメられたときは、その人のことをこんどはだれか にアピールしてやろうというのは、ごく自然な感情であるからだ。 17 服装でも趣味でも、 新しいものにチャレンジしてみる
《実例》いっしょにいて恥ずかしくなる進歩のない男
以前、黒や自のモノトーンが流行色になったことがあるが、それ以来、黒にかぶれ た学生がいた。
黒のセーターに黒のズボン、コートも黒系統にまとめる。おまけに部 屋の中も、黒のオーディオセット、冷蔵庫で統一する。彼は、女性の前では「黒は孤 高の色だからね」などと自慢していたらしいが、まわりはそれほど彼に黒が似合うとは思っていなかった。
二年後、流行色も明るい調子に変わってしばらくしてのことである。黒服の彼のウ ワサが私の耳にも届いた。「あの入ったら、まだ黒にこだわっていて、ぜんぜん進歩 がないのよ」と、すっかり女性たちの笑いの対象になってしまっていた。クラスメー トが、「顔が清潔な感じなんだから、もっと明るい色のほうがイメージに合うのに」 とか「茶系の服がいいんじゃない」といっても、本人はかたくなに黒い服を着ている。
女性のあいだでは、いっしょにいると、こっちまで恥ずかしくなってしまうとま でいわれるようになってしまった。 《なぜモテないか》女性は、自分の新しいイメージを追求できない男に弱さを見る ある作家が、こんなことをいっていた。作家はときどき、いままでのスタイル、作 風を捨てて、まったく新しいモノに挑戦しないと、読者にソッポを向かれるというのだ。
いままで築き上げてきた自分のイメージにこだわっていると、自分の狭い世界に 閉じこもった内容となり、読者からするとアナクロなものに映りやすい。新しいスタ イルを手掛けてみることで、自分の新しい魅力をつくりあげ、より読者の支持を得る ことにつながる
孤高の作家 を気取るのもたいせっかもしれないが、それだけで は読者から捨てられてしまうという。 女性にモテょうと思うときも、作家が読者を相手にするときと同じことがいえるだ ろう。自分で描いた自分のイメージにこだわっていては、女性からいつかはソツポを 向かれる。自分で描いた自分のイメージなど、自分にとってはいいイメージかもしれ ないが、女性にとっていいイメージとは限らない
最初はいいイメージでも、自分の 彼女のあなたを比る日が変わる「つき合いの狭い世界にこだわる姿が、女性にとっては窮屈に思えてくることもあるだろう。
自分の服のスタイルをかたくなに変えようとしない男性 は、自分の内町を変えようとしない窮屈な人間に見えるだろう。一悲くいえば、向分の ライフスタイルや考え方を絶対に変えたいと思わない保守的な人間である。 服装を変えることで、自分で築き上げたセルフ・イメージが崩れると信じている弱 い人間だといってもいい。そのような融通のなさや保守性、精神的な弱さに女性は無 立識に気づき、遠ざかろうとするのである。
《対策》服装のイメージ・チェンジは、新しい自分の発見にもなる テレビを半年も注意して見ているとおわかりいただけると思うが、俳優もしばしば 自分のイメージ・チェンジに取り組んでいる。二枚目俳優がコメディーに登場してみ たり、薄幸の美女を演じさせたら右に出る者がいないという女優が、とんでもない悪 女役に挑戦したり、なんとかこれまでのイメージから脱皮しようと努力している。
う まく自分のイメージの枠を広げていく俳優ほど、大スタ!の座が約束されているとい っていいだろ自分を窮屈に見せている保守性や頑固さを捨てるには、これらの役者のように、新 しい境地に挑戦してみるといいだろう。そうすることで、自分が好きな女性にとって の スターになれる。たとえば、いままで読んだことがないジャンルの本を読むの でもいいし、 テニスや登山、なんでもいいから新しい趣味にとびついてみる。自分の セルフ・イメージを壊してしまうのだ。 手っ取り早いのは、まず、着るものを変えてみることだ。人が「似合う」というも のは、失敗を恐れずにどんどん着てみる。
いろいろな色にもチャレンジしてみる。着 るものを変えれば、「この人は変わったな。何かあったのかしら」と女性に新鮮な目 で見直してもらえるだろう。それまでモテない男にしていた、女性とのあいだの 壁 を一つ取り壊すことができるはずだ。 また、どうせ服装を変えるなら、いっそのこと、女性に選んでもらうのも一法だろう。
それなら、たとえいままでとガラリと変わった服を着ることになったとしても、 女性が自分に対して「似合う」と思っているイメージに合うように選んでくれたもの だから、抵抗なく着ることができるはずである。女性の視点から見た アピール法 を学ぶ絶好の機会となるだろう