「一緒にいてドキドキするような時間」を演出する。口下手な人でも使える彼女攻略法
《実例》気まずい沈黙を生み出す ムッツリ男u ある食品メーカーの研究所に勤めている私の後輩は、とにかく無口で、人とあまり 話をしなくてもすむと思ったから研究所に就職したほどだ。
恋人がいるのかどうか、 彼が話さないからわからないが、あの剖子ではいなかったのだろう。 案の定、心配した両親が、お見合いの場を設けたのだが、やはりいつもながらの マイ・ペースで、当然ながら二人きりになっても話がほとんどはずまない。
近くの植物園を散歩しても、ほとんど会話が生まれない。最後に入った喫茶屈でも、彼は どう話を切り出していいかもわからず、まったく話をせずに黙ってしまったそうだ。 後日、両親が彼に「ダメになったわけじゃないから、一度、電話をかけてみたら 」といっても、彼は「もう話すことなんかない」と落ち込んだままである。
そう こうするうちに、相手の女性はべつの縁談がけ決まったという連絡があったそうだ。彼 「一緒にいてドキドキするようなは私に、「なんとかしなくてはと思うのだけど、何も話せない。ムツツリした男なん て、女性からはうっとうしい人間としか思われないのでしょうね」と自棚気味に諮っ ていた。
《なぜモテないか》コミュニケーションがあってこそ、好き、嫌いの感情も生まれる 以前 男は黙って勝負する という言葉がはやったが、実際にこの言葉どおりに やっていてはモテる男にはなれない。 黙って勝負 をしてもだいじようぶなのは、 ある程度親しくなり、沈黙していても相手が何を考えているかがわかる状態になって からだ。ほとんど見知らぬ同士が、最初から沈黙していて相手のことが何もわからな い状態では 勝負にならない。
女性にすれば、好き嫌い以前の問題である。変愛も、 ほかの仕事や人間関係と同じように、相手とのコミュニケーションによって成り立つ ものだから、黙っていては何も始まらない。
ただ、ここでたいせつなのは、コミュニケーションは一方的に相手に仕掛けるものではないということだ。双方によるコミュニケーションをしたいという気持ちがあってはじめて気持ちも通じ合える。さきほどの彼は、あまりに自分からのコミュニケーシヨンばかりを意識して、うまくしゃべろう、自分で会話をリードしなければ、と思 い込んでしまったために、逆に何もできなかったのではないだろうか。
《対策》自分が口下手なら 、 相手の話を聞いてあげれはいい プロボクシングでキンシヤサの奇跡 といわれたモハメド・アリ対ジョージ・ フォアマンの一戦をご存じだろうか。この一戦は、戦前、衰えたアリのパンチでは菰 打のフォアマンを倒せないだろうと予想されていたが、結果はアリのKO 勝ちとなっ た。このときのアリの勝因といえば、フォアマンに対して、はじめからパンチ合戦を 挑むのではなく、自らはほとんど手を出さず、フォアマンに打たせるだけ打たせて疲 れを待ったことにあるといわれる。
恋愛でも、このテクニックは有効だ。攻撃、つまり、話すだけがモテるための方法 ではない。相手の話を聞くことも、相手の関心を得る重要な方法なのである。
とくに 口下手な男性ほど聞き上手になれる要素を持っている。女性は、自分の話を聞 いてくれる男性からは、その男の誠実さを実感する。自分の気持ちをつかんでくれて いると手ごたえを感じるのだ。
「一緒にいてドキドキするような時、口下手な男性の中には、女性との会 話に慣れていないため、という人も少なくな い。女性に自分をよく見せようとするから緊 張し、かえって何も話せなくなってしまうのだ。自分で話題づくりをすることだけが女性 を喜ばせる方法ではない。
そこで無理に自分 の不得手なことをするよりも、たとえば、最 初のデートには、映画に行ったり、テニス、 ボウリングをするなど、それほど話をしなく てもすむコlスをつくってみるのも一法である。そのうち、映画やスポーツなど共通の話 題ができるから、やがて自然に話が盛り上が ってくるはずだ。
それでも会話に行きづまったら、とりあえ ず場所を移動してみるだけでもいいだろう。 またある女性は、初めてのデートのとき、公園を歩いたり、通りを散歩したりと、女性 とのートに慣れていない彼に、延々五時間も引きずり凶されたことがあるという。
はじめのうちはお互いにほとんど何も話さず歩いていたのだが、いろいろ変わる景色を見ているうちに、それがきっかけとなって会話も生まれてくるようになったそうだ。
黙って緊張した状態でじっとしているよりも、その場の雰囲気を変えてみるだけでも彼火の気持ちをつかむきっかけが見つかりゃすくなるはずだ。
《実例》きまじめな男性より、外見をほめてくれる男性を選んだ彼女 ある男子学生の話だが、彼はじつにきまじめというか、誠実を絵に描いたようなタイプの学生だった。
女性とつき合うときも、きちんと将来のことまで考えてつき合う。 浮わついたところがなく、最近の学生には珍しい、 堅実な男性である。ところが、し ばらくして会ってみると、いやに元気がない。
どうしたのかとたずねると、つき合っ ていた彼女にふられたのだという。しかも、その彼女がいまつき合っているのが、彼いわく、「女性に見えすいたおせじばかりいうような、チャラチャラした男」なのだ そうだ
「僕は女性の心理がわからなくなりました。服装やアクセサリー、髪型なんてどうで もいいじゃありませんか。そんなところが好きでつき合っていたわけじゃないんです。
彼女の人間性が好きでつき合っていたのに、結局、あれこれ外見をほめるような男を選んでしまったんですよ。女性にとっては、中身を理解してもらうより、外見のほう が重要なんですか?」 その学生は、真剣な日で訴えつ、づけた。
《なぜモテないか》女性は、外見の変化に対する無関心を、自分への無関心と受け止める 日本人は自分の女房をほめるのが苦手だが、アメリカ人はとにかくワイフをほめる。
アメリカからやってきた心理学者の家に招かれたときも、見ている私のほうが気恥ず かしくなるほど、彼は奥さんとベッタリだった。そして、はばかることなく、「今日 のキミはほんとうにきれいだよ。いつもの髪型もいいけど、今夜のその髪型は、キミ の美しさをグンと強調しているね」などとささやきながら、楽しそうに肩を抱き寄せ たりする。奥さんのほうも、「なにをいまさらパカなこといっているの」と手を払い のけたりせず、「ありがとう」とお礼のキスをするのである。
こういうやりとりを見 ていると、こうしたアメリカの男性たちとは違って、日本の男性がいかに女性の心理 を理解していないかということを痛感する。 女性というのは、いつも男性から注目されていたいという気持ちがある。デートの 「一緒にいてドキドキするような
時間J を演出するいつもと述つ服装をしできたり、イヤリングをしたりするのは、相手に見てもらいたいという心理が働いているからだろう。
にもかかわらず、相手がそういう変化 になんの反応も示さなかったら、やはりガツカリするのは当然である。「この人は私 に興味がないのかしら」「きっと好きでも嫌いでもないんだわ」とさえ思うに違いな い。服装やアクセサリー、髪型というのは、いわば女性のもう一つの言葉なのだ。語りかけなのである。
たぶん、その学生も、 彼女の服装や髪型に無関心だったわけではあるまい c 今日の 服装はかわいいなと思ったこともあるだろう。しかし、結局、彼はそれを口に出さなかった。
彼にしてみたら、峰々しく外見をほめるのは女性に対して失礼なことで、制 子のいいヤツと、軽く見られると思えたのかもしれない。口に出さなくてもわかって くれるはずだ、という気持ちもあったのかもしれない。けれども、これは男性の勝手 な思い込みであろう。
男性は、女性の服装や化粧などの変化から 心の言葉 を聞く こともできるが、女性のほうは口から出た言葉でしか相手の心を推し量ることはでき ないのである。いくら心の中で思っていても、それを口に出さなければ、相手に自分 の気持ちは伝わらないものなのだ。