リーダー役を無理してでも引き受けていると積極的な人間になれる
《実例》何もしないで、飲み会だけに参加するちゃっかり男。学生時代、友人の所属する音楽サークルに奇妙な男性 がいた。その男性は大学院生で、年齢は三十歳に近い。楽器が弾けるわけではないが、とにかく音楽が好きと いうことで、練習にはよく顔を出す
といっても、現役の部員は年が離れていて、あ まり話しかけないので、一人でポツンとしていることが多い。誰と話すわけでもなく、 ただ熱心に練習風景を見ているのである。 それだけなら、部員たちもこの奇妙な兇性をべつに邪魔に思わなかったのだが、 ひとつだけ悩まされることがあった。
それは、コンパなどを聞くと、いつのまにかちゃっかりまぎれ込んでいることだった。 演奏会のあとに飲みにいくときも、ちゃんといる。この何もしない準備もあと片づけも手伝ってくれなかった彼がお荷物男にメンバーも腹を立て、サークルのスケジュールをいっさい秘密にするようにしたそうだ。
そんなこともあってか、いつのまにか、その奇妙な男性はサークルから姿を消した が、女友だちはおろか、友人らしい友人もなく、いつも一人でキャンパスを歩く姿を、 友人はその後、何回か目にしたそうだ。
《なぜモテないか》女性は、お膳立てにのるだけの男を、 要領だけはいい男と見る いつも人のあとをついていき、自分から積極的に先頭に立とうとしない男性が最近 増えてきた。
先の 奇妙な男性 など、そのハシリかもしれない。遊びにしても何に しても、人が提案すればそれにのり、人がお膳立てしてくれれば参加するが、自分から提案したり、幹事役などを引き受けることはない。集団の先頭に立つのがめんどう くさいということもあるのだろうが、消極的といえば消極的である。
こうした、人のあとについていくだけの男性は、先頭をいく男性にくらべて、女性 にとっては魅力を感じにくいのは当然だろう。
積極的に人の前をいこうとする男性の 頼もしさが感じられないからである。 それに、いつも人のあとについてばかりいては、自分をアピールするのはむずかしい。楽な二番手、三番手にいつもいて、女性にアピールすることだけを考えている男 は、まともな女性からは鋭く見抜かれて、結局、相手にされないことが多いのである。
《対策》リーダー役を無理してでも引き受ければ 、 自然にリーダーらしくなる 消極的なために女性からも注目されないという人は、たとえば、飲み会や小旅行の 幹事などを思い切って引き受けて、人の上に立つ経験を積んでみることだ。
こうした役は、めんどうといえばめんどうだが、めんどうだからといって、いつまでも避けてばかりいると、人にいつもめんどうな仕事を押しつけ、自分はラクをしたがる男というレッテルを貼られるだけである。 こうしたリーダー役を引き受けていると、ふだんの行動にも積極性が出てくる。 地位が人聞をつくるという話がある。
たとえば、会社でも社長の器ではないと思われ ていた人が、いざ社長になると、それなりに仕事をこなしていき、そのうち社長らし い貫禄が出てきて、どうしてこの男が社長には向いていないと思ったのかわからない ということがある。つまり、与えられた仕事をやっていくうちに、仕事のほうで男を 上げてくれるのである。だから、クラブなどでも、責任のある仕事に積極的にチャレ 205 206 ンジしてみるのもいいだろう。
また、幹事や「長」までいかなくても、結婚式のスピーチなども、頼まれたら尻込みせ ずに引き受けてみるといいだろう。そんな小さなことでも 、それが自分の行動の帽を広げ ることにつながっていく。 最初から上手に話そうと考えずに 、場数を 踏むための練習だと思ってやってみる。
こう した積極性が、 女性とつき合うときにも、リ ーダーシップを取れる頼もしさとなってあら われてくるはずである。 結婚式のスピーチにしても 、 飲み会の幹事 にしても 、引き受けて失敗するのが不安なら、 前もって 、はじめてだということを周囲に強 調しておけばいい。
そうすれば、 いい知恵を 貸してくれる人も出てくるし、何よりも周囲が慣れない幹事に協力してくれる。何ご とも、案ずるより産むがやすしなのだ。