オロオ口する男の姿は、女性を幻滅させるだけ世に広まっている
恋愛常識 の一つに、「頼りなさそうな男性に、女性は母性本 能をくすぐられる」というものがある。しかし、頼りない男が、ほんとうに女性にモテるのかとなるとはなはだ疑問である。
ある女性誌に紹介されていた例だが、一流企業に勤め、服装のセンスがよく、話題 も豊富、マナーも洗練されているといったぐあいに、理想の男性とつき合っている女性がいた
。デートのときは、彼女をさりげなくリードしてくれ、いろいろ新しい 庖へ連れていってくれるので、彼女にはなんの不満もなかった。その男性との結婚を 真剣に考えたほどである。 ところが、彼女の気持ちは、デートのときのちょっとした 異変 でガラリと変わった。
ある高層ビルのレストランで二人で食事をしていたとき、地震が起こったのでできないり] ある。
ほかの客の「キャッ」という悲鳴を聞き、彼女もちょっとあわてたが、それ 以上に彼を見てびっくりしたという。 彼は真っ青になって、「どうしよう、どうしよう」とオロオロし、彼女のことなど おかまいなしでパニック状態に陥っていたのである。 地震がおさまったあと、「僕は地震がほんとうに苦手で」と彼は苦しまぎれの言い 訳をしたが、彼女の気持ちは一気に冷めてしまった。
「いざというときは、女性を守 ってくれるのが男性のはずなのに、あんなことでパニックになってしまう頼りなきを 見せつけられたら、ほんとうにシラけてしまったわ」というのが、 その女性の言い分。
なぜモテないか》女性は、見かけの頼りなさよりも、中身。の頼りなさを嫌う
たしかに、世の中には、一見、頼りなさそうなのに女性からモテる男性がいる。食 事のとき、ポロポロこぼして服を汚す男に、そっと服の汚れを落としてくれる女性が いたり、演劇に熱中して生活費にも事欠くような男に、「生活費は私にまかせて」と いう女性がいたりする。女性関係にめぐまれない男性から見ると、「なんで、 18 1 あんなダメ男がモテるのか」と腹立たしく思えることもあるだろう。
しかし、だからといって、頼りない男ならモテると思うのは間違いだろう。いわゆ る「母性本能」の強い女性は、子どものめんどうを見るのと同じように、男性に接す ることがあるのは事実だが、ほんとうに子どものように頼りない男性のめんどうまで 見るかどうかは疑問だろう。子どもには女性は惚れないのである。
はたから見ると、 子どものように見えて、いつも甘えているように見える男も、女性と二人きりになる と、意外と男らしかったり、大切なポイントではしっかり女性を守ったりしている。 だから、モテるのである。 女性が男に求めているのは、あくまでも強さであり、上手にリードしてくれる頼もしさである。
頼りない、だらしないというのが見かけだけならいいが、精神までそう だったら、まず、モテないと思っていい。先の女性が地震でパニックを起こした男性 を見限ったのも、こうした精神のひ弱さを感じ取ったからであろう。 《対策》一人旅をすることで、自分に自信をつける効用 仕事でも女性とのデートでも、ちょっと予想外のことが起こると、どうしていいか できない列 わからずにオロオロしてしまう男性がいるが、こうした頼りなさを女性は敏感に察知 する。こういう人がすこしでも精神的に強くなり、女性に頼もしく思われるようになりたいなら、 はじめてのことにいろいろ挑戦してみるのもいいだろう。
だれでもがそうだが、慣れないことをしたり、はじめての応に行ったりしたときは オロオロしやすいが、そうした体験を和んでいくと、しだいに「新しいこと」に対す る度胸が育ってくるはずだ。
たとえば一流レストランに一人で入ってみるのもいい。メニューがフランス語で読 めなければ、尋ねてみる。一人なら、多少恥をかいても、そう気にはならない。
このようにして、場数を踏むのも度胸をつけることになる。同様に、一人旅に出るという のもいい。何から何まで自分一人でしなければならないから、たいへんといえばたい へんだが、自信がついてくる。女性が求める、頼りになる男性とは、腕っぷしの強さ などでなく、自分に自信を持ち、勇気を持って踏みとどまろうとする精神力の持ち主 女を巧みにリードできる男 なのである。