共通の趣味を持つことが大切
相手が関心を持っていることに、 こちらも関心を示すことが、彼女の気持ちをつかむ最初の一歩となる。
《実例》自分の強引さに気づかない 単純男「はじめて会ってから三日目に、「好きだ。卒業したら結婚してくれ」といわれたんです。私、困ってしまって」と教え子に相談されたことがある。
彼とは合コンで知り合ったそうだ。そのときは、話が合って大いに盛り上がったと いう。強く興味をひかれたが、まだ好きかどうかはわからないというのが相手に対する気持ちだった。
だから、合コンの翌日にかかってきたデlトの誘いの電話にはすぐ 応じたのだが、なんと、その初デートで、いきなり愛の告白をされたのだという。 男性にはとかく、自分の頭の中でストーリーをつくって、そのとおりに強引に事を 運ぽうとする傾向がある
。この男性の場合は、おそらく「会って 一一 日でプロポーズさ れ、一カ月で結婚した」などというテレビの新婚カップルの紹介番組などに刺激され「よし、オレも」と勝手にストーリーを思い描いたのかもしれない
。「一目会ったその日から、恋の花咲くときもある」ということも現実になくはないが、多くの女性は、 よく知りもしないうちに強烈な愛の告白をされれば戸惑うだけなのである。
私の教え子も、「はい」とも「いいえ」ともいうことができず、あいまいな返事をして家に帰 ったそうだ。その後は、会うのがなんとなく怖い気がして、デー卜の誘いを断わりつづけているという。
ひとりよがりに陥る 自分の気持ちを最初からストレートに相手にぶつけるのが、自分の熱意を伝えるた めの最善の方法だと考えている男性がいるが、それは誤解というものだ。 女性にとっては、男性に愛の告白をされることは二つのゴール を意味する。女 性がまだゴールへ若くつもりもないのに、いきなりゴールを宣告されては、自分の気 持ちを無視されたような気持ちがする。 ものごとにはみな順序があるように、女の関係にもプロセスというものがある。
いきなり愛を告白するやり方は、途中の面倒なプロセスを省いて、いきなり 果実 を手に入れようとするようなものなのだ。男性はそれでいいのかもしれないが、女性 にとっては、このプロセスのところでハラハラ、ドキドキしたりすることが楽しいのである。
前にも紹介した柴門ふみさんの『恋愛論」の中に『ひょっとして、恋人になれる のかな』という可能性を秘めた兇友達と会う時が、一帯ドキドキして楽しい時間では ないか」という一節がある。
「恋人になってしまえば、こんどはその関係を維持する ことに神経を使わなければならないわけで、結梢それは而倒くさかったりする。
恋に なるか、ならないか。その瀬戸際が最もスリリングであり、ドラマになり、おもしろ いのである」と柴門さんはいう。 男性には「瀬戸際を楽しむ」という考え方はあまりない。恋人になってから男性の 楽しみははじまるといってよく、ここが、 恋人になるまで も楽しみたいと考える 女性とは違うところだ。こういった女性の心理を知らずにいきなり告白をすると、女 性にとっては、途中で美しい対色を見たり、持しい思いをせずに( この苦しさが楽し いていきなり富士山の山頂に連れて行かれたような気持ちになる。
女性は手抜きをされたと感じてしまうはずだ。大きな告由。 の前にある 小さなステップ こそたいせつにしよう 唐突に愛の告白をするような性格は、誠実で、少なくとも相手に自分の気持ちを伝 えたいという熱・誌を持っている証拠だ。自分から和極的に働きかける行動力もある。
手練手管でじわじわと女性を口説き落としていく男より、ほんとうは女性にとっては 魅力あるタイプといえるだろう。 しかし、こういう猪突杭進型の男性は、相手を憎からず思っていても、断わるしか ないという状出に女性を追い詰めてしまうことが少なくない。ここはあせらず、じっ くりかまえて、すこしずつ自分の気持ちを伝えるようにしたほうがいい。相手の気持ちを確かめながら、彼女に徐々に働きかけていくという、小さなステップの和み重ね が彼女の気持ちをつかんでいくのだ。
たとえば、「好き」という前に、プレゼントを贈るなどの前兆を示して心の準備をさせてあげるといいだろう。彼女のほうも愛の告白を受け入れやすくなる。恋愛をゲームなどとはいうつもりはないが、こうした ρ プロセス を而倒に忠つては、 せっかくの強烈な自己アピールがアダとなりかねない。