ドキドキするような、ちょっとした気の使い方が、 女心を惹きつける
《実例》「親切な人」が、なぜ「無神経男」に変わったのか アニメ界というより、日本の映耐凶介を代表する舵杵といっていい、 女の宅急便』という作品に、こんなシーンがある。 都会に山て雌女の修業をしている、主人公の女の子が、雨の中を飛行したため、熱を出して寝込んでしまう。
翌日、主人公に思いを寄せる男の子が、女の子が下宿してい るパン屋を訪ねるのだが、「会いたいっていってるんだけど」というパン屋のおかみ さんの言葉に対し、ベッドの巾の主人公は「いや」と小さな声で答えて、毛布で顔を隠すのである。おかみさんは、その様子を見て、笑いながら「そういうと思った」
山崎駿氏の『肱 13 1 アニメだから主人公が肱女というファンタジックな設定になっているが、宮崎氏は、 都会で自立しようとけなげに生きる女性の姿を、この作品では描きたかったのだそうだ。
たしかに、お見舞いはうれしいけれど 、病気のときのやつれた 顔を男性には見せたくないという、若い女性の微妙な心理がよく拙かれている。 しかし、こうした女性心理を理解しようとしない男性が実際には多いらしい。ある OL から聞いた話だが、彼女の体制が悪いとき、目ざとくそれを見つけた男性社員が いた。
「どうしたの?顔色が悪いんじゃない」と声をかけてくれたときは、よく気 のつくやさしい人だと、彼女もありがたく思ったそうだ。しかしそのあとが恐かった。彼女が「大丈夫ですから」といっているのに、「早退したほうがいいんじゃない か」「僕から課長にいってあげょうか」などと繰り返す。
周囲の人まで「大丈夫か い」と言い出すに至って彼女は、このおせっかい男を恨んだという。 このシーンなど、 よけいなおせっかいと同じ この男に限らず、親切というよりも、おせっかいであるために女性に嫌われる男が いる。
ドライブ中に「トイレはだいじようぶ?」などと女性に聞くような男もそうだ。 病気でやつれた姿やトイレのことなどは、女性はできればそっと隠しておきたいと考 えている。それをあからさまにするのは、たとえ相手のことを気づかっていても、女性にとってはおせっかいより、タチが悪いも のとして受け止められるのである。
それは、当人は親切のつもりでいても、や ることが一方的な働きかけであって、相手の 意志を尊重していないからだ。たとえば、自 分が使っている漢方薬を「よく効きますよ」 とすすめるのは親切だが、わざわざ買ってき て「これを飲みなさい」というのはよけいな おせっかいになる。
つまり、他人の自由立志 を尊重するか、踏みにじろうとするかが、親 切とおせっかいの分かれ目になるということである。 また、相手が気にしていることを指摘する ことがおせっかいになるのも、いわれた相手 がどういう気持ちになるか、ということを考えていない自己アピールだからである。
だからこそ、「無神経な人」と女性から嫌わ れることになるのだ。 《対策》女性に接するときは、「親しき中にも礼儀あり」を忘れない おせっかいなヤツと女性に見られがちな人は、自分の意見を他人に押しつけていな いか、て反考えてみる必要があるだろう。
自分が正しいと考えることでも、相手にと ってはいつも正しいとは限らないのだ。同僚のOL の体制が思そうなら、「大丈 夫?」と、ひと言やさしく声をかければ、こちらの気持ちは十分に伝わるのだから、 そのあと彼女がどういう行動をとるかは、彼女自身の判断にまかせればいい。
もう一つ 、「親しき中にも礼儀あり」ということをいつも忘れないようにすること もだいじだ。夫婦ゲンカで、「給料が安い」と夫をなじって殴り殺されてしまった妻 だっているのである。夫婦の間柄でも、超えてはならない礼儀の一線があるというわ けだ。
礼儀というのは、相手の気持ちを尊重するということである。相手がふれられ たくないことは話さないようにするのが礼儀である。女性が入院したときは、事前に 了解を得てから見舞いに行くというのも、また礼儀である。 おせっかいな男性は、相手をよく観察する能力に長けているし、困っている人を助 けたいという気持ちが人一倍強い人間だといえる。だからこの礼儀を忘れないように すれば、もっと上手に彼女の気持ちをつかめるはずだ。